2020年 年の瀬に寄せて

今年はあらゆる意味において非常に印象の強い年でした。

皆様にとって2020年はどのような年であったでしょうか。

おひとりおひとりご状況は当然異なると思いますが、多かれ少なかれ様々な困難に直面した年であったかと思います。

今までの常識や当たり前だと思っていたことが根底から覆され、強制的に新しい生活や新しい価値観に移行せざる得ないような場面もありました。

電車内ではマスクの有無で大ゲンカをし、車両を何車両にもまたいでマスクしてない人を追い回して罵声を浴びせている方。

精神的にも肉体的にも極限まで追い詰められている医療従事者の方。

経済停止の煽りを受け、失職された方。

リモートワークが増えたことで離婚された方。

日本で勉強するのが夢だったのに帰国せざる得なかった留学生。

本国の離れた家族に会えない方。会えないうちに亡くなられてしまった方。

ショックな出来事を挙げればキリがありません。本当に、胸が痛みます。

このような状況下にあって気持ちが塞いだり、落ち込んだり、自暴自棄になるのも当然だと思います。

今日と同じ明日が来るなんて保証はどこにもありません。

しかし、一方でそんな状況下にあっても懸命に助け合い、声をかけあう人の姿も確かにありました。「大丈夫?」「そちらは変わりないですか?」「何かあったらいつでも言ってくださいね」

こうした方々の温かい優しさが心の琴線に触れます。

「そんなの偽善だ」「自分に余裕があるから人に優しくできるんだろう」そう思いたくなる気持ちもよくわかります。私も過去に様々な経験を通し、そのように思った出来事もありました。ある種、その気持ちも一理あると思います。

しかし、余裕があってもなくても『世のため人のため』という信念に基づく行動を一貫して変えない努力こそが、本物の強さを生み出していくのではないかと私は考えます。

言葉で言うほど簡単なことではありませんが、誰もが余裕のない激動の荒波の中にあるからこそ、据えた覚悟が『本物』かどうかを試されたような年であったと感じました。

私自身も仕事上もプライベートも様々なことに直面した一年でした。日々繰り返される命に関わる報道を目にしながら、私自身も今こうして「生かしていただいている」ことの意味を深く考えました。

それは、仕事、プライベート問わず誰に対しても「Sincerity(真心)」を尽くし、相手と誠心誠意で向き合い、多くの方に喜んでいただけるように迅速で的確なアクションを起こしていくためであると思っております。

その考えの根底にあるのは、私たちは「心」を大切にし続けたいからです。

IT技術の発展により私たちの生活は支えられています。リモートワークを可能にし、新しい仕事スタイルを確立できたのはIT技術のおかげであると思っています。今までもそしてこれからも、生きていく上で、仕事をする上で、テクノロジーは間違いなくなくてはならないものです。

しかし、どんなにITやAIが発達しようとも、どんなに効率性や生産性を重視する社会になろうとも、私は人には『心』があると考えます。単なる在留資格の話、許認可の話と切り離して考えるのではなく、その先にはそれを求める人の『心』があり、そこにはその人の『人生』があると思っています。

我々はひとりひとりの『心』を大切にし、ひとりひとりの『心』に温かさを届けられる事務所であり続けるため、これからも惜しむことなく努力、研鑽を重ねてまいります。

そのためには従来のやり方に固執することなく、常に改善、革新、融合を追い求め、多角的な視点を以って困難に立ち向かい、皆様の幸せのために最善を尽くします。

2020年の困難に屈することなく何度でも一緒に立ち上がり、希望を持って2021年を皆様と共に一歩ずつ前進してまいります。

未曾有の困難が続く日々が一日でも早く終息することを切に祈りつつ、皆様が心身共に健やかに過ごせますことを心から願っております。

本年も大変お世話になり、誠にありがとうございました。

どうぞ皆様、ご自愛いただきまして健やかな年末年始をお迎えくださいませ。

代表 髙山 悠